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サル免疫不全ウイルスベクター(SIVベクター)

サル免疫不全ウイルス(SIV)をベースにしたベクターで、アメリカでようやく臨床研究が始まったHIV(ヒトエイズウイルス)ベクターとほぼ同じ性質を持っています。すなわち、レンチウイルスベクターの特徴として、分裂細胞のみならず終末分化している細胞(神経細胞など)へも高い遺伝子導入効率を持ち、さらには治療遺伝子の長期にわたる発現が可能です。我々のベクターは、HIVベクターなど他のレンチウイルスベクターと同じ有効性を持ちながら、HIVベクターと比較して以下の安全性を有しています。

  1. HIVベクターや他のレンチウイルスベクターとは異なり、自然宿主に対しても病原性(免疫不全症)を持たないSIVagm株(アフリカミドリザルから分離されたウイルス)を用いてベクター化しています。
  2. HIV(ヒトエイズウイルス)との塩基配列の相同性が極めて低く、患者の細胞内でHIVと共存してもそれとの組換えはほとんどありません。従って、組換えによる増殖型組換えウイルスの発生の危険性は極めて低いと考えられ、より高い安全性を持つベクターといえます。

現在、当社はこのベクターの第三世代化にも成功しており、世界水準の安全性を保持しています。

本ベクターを用いて網膜下に遺伝子を導入した場合、導入部位に障害を起こすことなく遺伝子発現を2年以上安定して維持することが判っています。これを利用して、網膜色素変性症、緑内障について有望な前臨床研究が進んでいます。

F/HN型SIVベクター

当社が開発した世界初の実用的呼吸器用レンチウイルスベクターです。センダイウイルスの外膜タンパク質(F/HN)を利用しています。マウスを用いる動物実験で、鼻に投与した場合、鼻孔上皮細胞で1年以上にわたり安定した遺伝子発現が可能なことが判明しており、上皮細胞の幹細胞などに遺伝子導入していると見られています。そのため、呼吸器系の遺伝性疾患の治療に適したベクターと期待されています。

このベクターは当社のセンダイウイルスベクターの開発に伴う知見と技術の蓄積によって実現されました。センダイウイルスは動物の気道に極めて効率良く感染します。そのメカニズムにはセンダイウイルスの殻にあるFとHNという二つのタンパク質が関係しており、我々は、この2つのタンパク質を殻にもつSIVベクター(F/HN型新シュードタイプSIVベクター)の創出に挑戦し、工夫を重ねてこれに成功しました。この新しいベクターは、狙い通り、マウスの気道に効率よく遺伝子導入することが示されました。この技術は、権威ある英国の「嚢胞性線維症遺伝子治療コンソーシアム」から高く評価され、現在、同コンソーシアムの資金サポートにより、根本的治療法のない嚢胞性線維症に対する遺伝子治療製剤を共同で開発中です。また最近、このベクターは網膜変性疾患用ベクターとしてもその有用性が九州大学との共同研究で証明されています。従来のVSV-G型ベクターは遺伝子導入速度がやや遅いという欠点がありましたが、本ベクターの迅速な遺伝子導入能によりこれが克服されています。